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第18回
三溪園大茶会
平成24年10月19日・20日の両日 横浜市の三溪園にて公益財団法人三溪園保勝会主催の大茶会が開催された。
武者小路千家流は白雲邸の第一席を担当。
この白雲邸は大正9年三溪の晩年の住まいとして建てられ、近代数寄屋建築を代表するものとして横浜市有形文化財に指定されています。
和洋折衷の談話室や書院の繊細な意匠は注目されます。「第18回大茶会会記より」
床は流儀中興の祖と言われる直斎筆の 新月一張弓 の画賛 白居易が晩年荒涼とした秋を詠んだ詞の一節より取った語 人生と四季をかけた言葉だけに 秋の寂しさも一層だったように思います。
花は秋草をとりどり 唐物の四方花入れに入れました。
香合は三溪所持の苫屋船 銘 夕暮 舟の上に藁で葺いた屋根をかけた物 舟底は網代文様となり 手が込んでおりました。
点前座では当代家元不徹斎宗匠が好まれた嶺雲地紋の真形釜に唐銅の朝鮮風炉 嶺雲地紋は斎号 不徹 の出典となる「雲在嶺頭閑不徹 水流間下太忙生」より山と川の地紋。
水指は明の七宝で 口が十画になっている珍しい物。
棚は一啜斎が好んだ杉木地の棚で 炉でも風炉でも使えます。風炉の際は掲載写真の如く使用し、炉の時には棚の前後を逆転して使用します。
茶器は愈好斎が蓋上に 玉兎 と記した物。玉兎とは月には兎が住むと言う伝説から 月の異称との事で 月が綺麗に見える秋空にかけての使用。
茶杓は愈好斎作 銘 垂穂「たりほ」稲が実って穂が垂れる様をいうそうです。


会 記
主 神奈川官休会
床 直斎絵賛 新月一張弓
花入 唐物 四方
花 季のもの
香合 苫屋船 銘 夕暮 三溪所持
釜 不徹斎好 真形 嶺雲地紋 圭成造
風炉 唐銅 朝鮮 圭成造
先 市松張
水指 明 七宝 口十方
棚 一啜斎好 自在 小兵衛造
茶器 愈好斎好 玉兎 宗哲造
替 有隣斎好 菊置上 善五郎造
茶杓 愈好斎作 銘 垂穂
蓋置 有隣斎好 菊透 理平造
建水 伝来形 えふご 愈好斎箱書 五良三郎造
菓子 秋の実り 風流堂製
器 蔦の絵 鉢 真葛香山造
莨盆 不徹斎好 木瓜形 雅峯造
火入 呉須写 鶴亀の絵 妙全造
莨入 ミャンマー土産 キンマ
煙管 一指斎好 吉祥草彫
以上
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