top of page
​第20回 

​三溪園大茶会

11月21日(火)22日(水)の二日にわたり、横浜市中区の三渓園で大茶会が開かれました。

二年に一度開かれるこの茶会ですが、今回は白雲邸の改修工事などあり、3年ぶりの開催となりました。

第一席 江戸千家 家元 白雲邸 

第二席 裏千家 横浜支部  臨春閣 住之江の間

第三席 武者小路千家 神奈川官休会  臨春閣 天楽の間

第四席 表千家同門會神奈川県支部 月華殿

第五席 遠州茶道宗家 家元 鶴翔閣

以上、五席が並びました。

武者小路千家席の臨春閣 天楽の間は、国指定重要文化財 紀州徳川家別荘遺構です。二間続きの広間の欄間は雅楽の舞台に見立てた欄干に、笙・篳篥・笛がはめ込まれていて、まるで音楽を奏でているようなモダンな意匠だと感じました。

床は、一指斎抱一合作、紅葉絵賛 花入は天楽の間にちなみ、愈好斎 竹 円窓、銘は越天楽。そこに紅白の椿が映えました。

十一月は炉開きです。

点前座には直斎好の矢筈棚。黒漆に朱色の紐が美しく、決まりの水指明七宝とともに、席を華やかに彩っていました。

主茶碗は絵高麗 歌銘 さびしさは〜槙立山の秋の夕暮れ とついたのは、モクモクとした絵が槙立山に見えたのかもしれませんねと、解説されていました。

茶器は愈好斎好 千代棗 茶杓には、同じく愈好斎作 歌銘 君が代は云々とついて、二つで対に…茶人の正月をお祝いするにもまた天楽の間にもふさわしい、雅な取合せでした。

お菓子は、もちろん、猪の子餅。製は松江の風流堂で、中の餡に少しだけ柿が入っていて、甘さに軽さが加わっていました。

 

初日はかなり冷え込みましたが、有り難いことに両日ともよく晴れました。

合わせて1000人近い方がいらして下さり、水屋はてんてこ舞い。でも、とても賑わった楽しい二日間でした。

​升本由喜子 記
於:臨春閣 天楽の間
主:神奈川官休会
三溪園大茶会 会記
床   一指斎・抱一合作 紅葉絵賛 
花入  愈好斎作 竹 丸窓 銘 越天楽
 花   白玉・西王母椿 はしばみ
香合  織部 扇形 好々斎箱書
釜   尻張                浄味造
 縁   愈好斎好 雲錦蒔絵
 先   不徹斎好 起風
水指  明 七宝 平
 棚   直斎好 矢筈           宗哲造
茶器  愈好斎好 千代棗 愈好斎在判箱書
茶碗  絵高麗 
     歌銘 寂しさは その色としもなかりけり 
          槙立山の 秋の夕暮
      梶与九郎箱 有隣斎外箱 小堀宗慶極
 替   仁清写 蔦の細道
茶杓  愈好斎作 歌銘 君が代は云々
 蓋置  愈好斎好 色絵 三ツ人形 金長・金左合作
 建水  桑曲
菓子  猪の子餅             風流堂製
 器   不徹斎好 若菜桶        小兵衛造
 莨盆  以心斎好 独楽透        木屑造
 火入  絵唐津           太郎右衛門窯
 莨入  独楽塗
 煙管  一指斎好 吉祥草彫      五郎三郎造
​以上
bottom of page